<東京五輪での首脳会談を見送った韓国の判断が、日韓「形勢逆転」の分岐点になる可能性> 人間が判断を間違えるのはどんなときだろうか。例えば、それは自らが窮地に陥っているときかもしれない。窮地に立つあまり冷静な判断が不可能になって過ちを犯し、自身をさらに窮地に陥らせた例は歴史上、数限りなく存在する。 しかしそれは、自らに余裕がある場合には間違いを犯さない、ということではない。なぜなら、人は自らの優位を確信するあまり相手側を侮り、自らに都合のいい形で物事が進むと信じることがあるからだ。太平洋戦争時のミッドウェー海戦における日本海軍しかり、ナポレオンによるロシア遠征しかり。こうして犯したミスにより、時に戦局は一変し、相争う両者は攻守所を変えることになる。 東京五輪開催の目前、文在寅(ムン・ジェイン)政権は日韓関係において自信満々に見えた。2019年7月に日本政府が発動した輸出管理措置から約2年。新
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