「家族の第9巻」と帯でうたわれたとおり、棋士をめぐる「大切な人」が印象的に描かれた「3月のライオン」最新刊。主人公・零と川本家の関係だけでなく、土橋九段を支える両親のエピソードにもほろり。死神・滑川さんのエピソードも(別の意味で切なすぎて)涙を禁じえませんでした……(あまりにもいいキャラなので再登場していただきたい)。 おいしいもののシーンも健在で、特に「家庭の味」にフォーカスされた巻でもありました。 肌寒くなってきたこともあり、たまらんかったのが川本家の伝説的メニュー「甘やかしうどん」。がんばる受験生のための鍋焼きうどんで、天ぷらとキツネ、「おいしいもの」がダブルで乗った究極の夜食。 エピソードでは、高校受験のための勉強にはげむひなちゃんと、それに協力する零にあかりさんがばばーんと振る舞います。 あかりさんが受験の際も母親が作ってくれたようで、まさに家族の愛が受け継がれるかのような一品。