近年の縄文ブームで、「遮光器土偶」や「みみずく土偶」「ハート型土偶」なんかはすっかり市民権を得ましたね。現在までに出土している土偶の数は、なんとおよそ2万点。それもほんの一部で、日本列島の土の下にはまだまだ未発見の土偶がたくさん眠っているはずです。縄文人土偶ばっかり作りすぎだよ・・・なんてつっこんではいけません。なにせ縄文時代は長いのです。たとえ全ての土偶がその3倍あったとしても、ざっくり1万年で割ると、単純計算で年平均6点、それも「全国で」です。土器に比べれば、土偶は特別な機会にのみ作られる貴重な呪具だったはずなのです。しかも、その貴重な呪具を、1万年もの長きに渡って地道に作り続けたのです。縄文人にとって、土偶とはいったい何だったのでしょうか。 そこで今回は、2万点の土偶に共通する謎の数々から、土偶の正体について考えてみます。3000年の時を超えて、今私達の前に現れた土偶は、一体どんな思