《『Voice』2014年2月号より》 リーク情報への過度の依存 2013年は、日本経済にとって重要な展開が二つあった。一つはアベノミクスが本格始動し、黒田日銀によるインフレ目標政策が明示的に示されたこと。そして第二には、日本の消費税の税率引き上げが決まったことだ。 そしてこのいずれについても、日本の経済ジャーナリズムの欠点が露骨に示されていた。 まず黒田日銀のインフレ目標だ。2年で2%の物価上昇目標を打ち出して期待を変え、景気回復を図るという政策はご存じだろう。すでに効果は出ている。2013年10月の実績では、食品を除いたコアインフレは0.9%。さらにエネルギーの影響を抜いたコアコアインフレでも0.3%上昇だ。 だが、2012年末から2013年頭にかけての論調がどんなものだったかも、読者諸賢の多くはご記憶だろう。報道のほとんどは「異次元緩和」を連呼して、この日銀の新政策が異常だというイメ