『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以降、日本の本格ミステリー界をリードしてきた巨匠・島田荘司がいまもっとも熱を入れているもの、それが華文(中国語)ミステリーの発掘と育成だ。 英米で生まれ育ち、その後に日本人が受け継いだ本格ミステリーをさらなる発展に導く逸材がそこには必ずいると確信しているという島田氏にその展望と、期待を込めて実施している「島田荘司推理小説賞」の実態について伺った。 本格ミステリーの世界に再び響く大鴉(おおがらす)の声 島田荘司(しまだ・そうじ) 1948年、広島県生まれ。1981年に『占星術殺人事件』でデビューを果たして以降、御手洗潔シリーズ、吉敷竹史シリーズなど精力的に発表し、本格ミステリーの旗手として活躍。 近年その活躍は国境を越えアジア、欧米へと広がり、2014年1月には『占星術殺人事件』が英有力紙『ガーディアン』の“The top 10 locked-ro