日本時間の3月31日、マサチューセッツ州ボストンで開催された世界選手権の男子SPでは、ソチ五輪王者、羽生結弦がその強さを改めて世界に見せつけることになった。 ショパンのメロディにのって冒頭の4サルコウ、4トウループ+3トウループのコンビネーション、そして得意の3アクセルをきれいに降りて、力のこもった完ぺきな演技だった。110.56という点が出ると、会場は割れるような歓声につつまれた。 公式練習で大声をあげた羽生結弦。 演技直後にミックスゾーンの記者たちの前に現れた羽生は、屈託のない笑顔を見せてこう言った。 「もう気持ちよく滑りました。精神状態は皆さん見てわかったように、ちょっとぐちゃぐちゃでしたけど……」 羽生の言う「ぐちゃぐちゃ」の理由は、もちろんその日の昼間の公式練習での出来事を指しているのに違いなかった。 サブリンクで行われていた練習中、音楽に合わせてランスルーをしていた羽生のステッ
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