「ダサイ」「かっこわるい」と白眼視されていた方言が、いま女子高生ギャルのあいだで静かなブーム…。各地方の方言愛好家のあいだでは「言語文化の中央集権化に歯止めがかかる」と喜びの声もあがってはいるものの、高校で教鞭をふるう先生たちには「話が通じなくて困る」と思わぬ頭痛のタネになっているという。 「タンキュー、タンキュー」…コックニー方言が教室を飛び交う。ここはロンドンのイーストエンドではない。都内のとある公立高校での休み時間の風景である。「今年のはじめごろから方言が目立ち始めた」と同校の英語教員。「初めて“ワッチュア・ナイム?”(What’s your name?)と聞かれたときにはビックリした。水を飲みに行くときも“マイ・アイ・アブ・エニフィンク・トゥ・ドリンク?”などと日常的にコックニーが使われる。生徒のために苦労して習得したクイーンズイングリッシュがまるきり役に立たない」とこぼす。 彼女