結婚が破綻(はたん)した夫婦のどちらかが国外に子どもを連れ出し、相手から返還を求められた場合、原則、子を元の居住国に戻さなければならなくなった。日本が1日、ハーグ条約に加盟したためだ。国際結婚した日本人の離婚は年約2万件。国境を越えた子の奪い合いに、歯止めはかかるのか。 「日本は、ハーグ条約に加盟します。私には、娘に会う権利があります」。先月、千葉県の女性(34)は、娘(14)と暮らす米国人の元夫の両親に手紙を送った。「彼女は米国市民。二度と連絡しないで」。メールで返事が届いた。 元夫とは九州の米軍基地で出会い、妊娠して結婚したが、生活費を渡してくれなかった。紙おむつも買えず、基地内にある病院の乳児健診で「虐待している」と疑われた。元夫は2001年、女性に無断で当時8カ月の娘を米国に連れて行き、両親に託した。 2年後、女性は元夫の両親の家をつきとめ、娘に会いに渡米。その後、娘に会えたのは3