福祉や社会保障のサービスを受けるには、役所に出向き、面倒な書類をそろえ、自分で申請するのが原則だ。しかし、必要な人に必要な支援が届いていない。このままでいいのか。 赤石千衣子さん しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 私はひとり親の当事者グループで、さまざまな相談にのったり、福祉制度を利用するための手続きの手伝いをしたりしています。福祉制度の多くは、役所に行って書類を書き、証明書類を提出し、自ら申請しなくてはいけません。その大変さは、私がひとり親になった約40年前から全く変わりません。 あるシングルマザーが引っ越しをして役所での手続きをするのに、付き添った時のことです。庁内を行きつ戻りつ、転入届と児童手当、児童扶養手当、生活保護の申請で半日が過ぎました。それでもまだ、保育園の申し込みなど必要な手続きが終わりません。また別の手続きの日には、幼い3人の子どもも一緒で、最後には子どもたちは疲れて泣