児童相談所「相談対応件数」増加の意味 厚生労働省が児童相談所の「相談対応件数」を集計するようになったのは1990(平成2)年からである(図表1)。 以来、この「相談対応件数」の集計結果が出るたびに、メディアは児童虐待が「増加」し、「深刻化」していると報じてきた。この数値が虐待の発生件数であるかのように捉えられているのである。 だが、児童相談所の「相談対応件数」は、虐待の発生件数ではなく、児童相談所が虐待として取り扱った事例の件数(回数)であり、いわば業務報告のようなものである。 したがって、通報が増加したり、児童相談所の業務が拡大したりすれば、数値は増加する。それが分かっているから、新聞も相談対応件数が増加したのは、児童虐待に対する社会の関心が増大し、顕在化するようになったからだと書くのだろう。 だが、それでも虐待が増加・深刻化していると書くのは、相談対応件数が増加している以上、実際に虐待
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