世界経済フォーラムが発表した2019年のジェンダーギャップ指数で日本は153カ国中121位と過去最低を記録し、特に政治や経済分野での女性の進出が遅れていることが指摘されている。意思決定層の多数を男性が占める現状をどこから変えていけばいいのか。男性たちが抱える「男らしさ」へのこだわりから社会や文化をひもとく「男性学」の専門家、田中俊之・大正大准教授に、男性の意識改革を阻む要因を聞いた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】 ジェンダーギャップ、男性の「当事者意識」が薄いことが問題 --世界経済フォーラムが昨年末に発表したジェンダーギャップ指数で、日本は153カ国中121位と過去最低となりました。この数字をどう受け止めていますか。 ◆この数字に対しての男性の「当事者意識」が非常に薄いことが問題だと思います。政治や経済の分野で女性が差別されていると言われても、自分には関係のないことだと思ってしまう