安心できるはずの家で、養育者やきょうだいから性的虐待を受け、苦しみを抱える子どもたちが大勢いる。全国の児童相談所(児相)が把握した虐待のうち、「性的虐待」はわずか1%程度だが、これは氷山の一角にすぎない。親の暴力などは明かすことができても、性的虐待は最後まで話せない子どもが多く、潜在化しやすいためだ。 実際、児相の現場では身体的虐待やネグレクトなどで一時保護した子どもが、性的虐待も受けていたと後から判明するケースが相次いでいる。深刻さが明らかになり、行政もようやく重い腰を上げた。 (共同通信=川南有希ほか) ▽告白 「人に言えば、お母さんの心の病気がひどくなる」。関東地方の児相で一時保護された女児は、父親から性的虐待を受けていた。しかも、父親は女児にこう言い含め、娘が他言しないようにしていた。子どもがやっとの思いで児相に訴えても、母親が真実を受け入れられずに否定するケースもあり、虐待の中で