移民の子どもは「学習意欲がない」のか? 現場から、その背景をあぶりだす。| UTOKYO VOICES 088 出稼ぎで来日したフィリピン人の親をもつその少女は、地域の中学校に通っているが遅刻や休みが多く、授業中の居眠りもしばしば。宿題もほとんど提出しない。 本人に学習意欲がないのだろうか。それともフィリピンの人はみな、諦めが早いのだろうか。周囲からはそんな視線が注がれるが、日本語がおぼつかない子が授業についていくのはそもそも至難の業だ。親に教えてもらおうにも親も日本語を読めず、多忙な学校現場で特別な支援を十分に受けられる子どもは多くない。そうして子どもはただ、取り残されていく。 額賀は、このような子を含め、親の事情で国をまたいで移住した子どもたちを取り巻く教育・家庭環境の実態を理解しようと調査と考察を続けてきた。 冒頭の少女が置かれている環境は、自身が小学生のころに3年ほど通ったサウジア