連載、11回目となりました。ここからはしばらく、これまでとは趣向を変えて、これまでに書いた本に関することを書こうと思います。 2004年に『脳はなぜ「心」を作ったのか ── 「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)を書いたのが42歳の時でした。あれから、14年。この間に16冊の単著の本と、40冊の共著の本を書きました。売れた本も売れなかった本もありますが、どれも私としては想いを込めて書いた本ばかりです。 実は、一番売れた本は、最初に出した『脳はなぜ「心」を作ったのか ── 「私」の謎を解く受動意識仮説』なんです。単行本が2万部、2010年に出た文庫版が2万部。じわじわと今も売れていて、再版を重ねています。 そこで、今回はこの本について書こうと思います。以前、「受動意識仮説」についていつか詳しく書くといいましたし。 「受動意識仮説」とは、私が名付けた名称で、要するに、私たちの意識や、意識さ