一般的に「悲しい気持ち」は望ましい感情とは言えないが、私たちは悲しい気持ちを呼び起こすような曲をわざわざ聴こうとする。 独ベルリン自由大学の研究者が、人々が悲しい曲を聴く状況や理由、それによって喚起される感情、得られる恩恵について調査した。 悲しい曲がもたらす4つの恩恵 調査はオンラインで多岐にわたる質問に答えてもらう形で行われ、ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリア、アジア、アフリカから722人分(16~78歳の男性277人、女性495人)のデータが集められた。その結果、悲しい曲を聴くことで得られる恩恵は主に次の4つに分けられることがわかった。 1. 実体験を経ずとも悲しい気分を味わえる。 2. 負の感情の調整ができる。 3. その曲によって自分の気持ちを十分表現できていると想像できる。 4. その曲を通じて他者と気持ちを分かち合うことで、共感を味わえる。 悲しい曲は気持ちを発散させ、心