ジャニーズにも、ケンミンSHOWにも、吉本興業にも視聴率的には負けている。フジテレビ開局50周年記念の最後を飾る連続ドラマとしては、寂しい結果だと思う。想定していたのは2003~2004年に放映した『白い巨塔』の数字「第1部→初回22.8%、平均21.1%」「第2部→初回25.5%、平均26.2%」だったろう。しかし、“巨塔超え”は難しそうなスタートだ。 では、ドラマとして不出来なのか? そうではない。むしろ面白い。主人公の壹岐正を演じるのは、前作の『白い巨塔』と同じ唐沢寿明である。壹岐の妻には和久井映見。壹岐の同期で親友には柳葉敏郎。小雪、佐々木蔵之介、天海祐希、竹野内豊と主演経験者級が勢揃い。原田芳雄の大門社長、岸部一徳の里井常務、伊東四朗の久松経企庁長官……。脇役に揃えた実力派俳優の演技も見どころで、たいへん面白い。その上、エンディングテーマにはトム・ウェイツの曲が使われている。 鼻