日本では,文章を書く技術の習得は,学校の国語の時間に任されてきた。卒論を書く際に担当教員から多少の指導を受けた…という程度で,国語の時間以外に体系立てて分かりやすい文章の書き方を学んだ人はほとんどいないだろう。 エンジニアに限らず一般のビジネスパーソンであっても,相手に確実に伝わる文章表現を身に付けている人は少ない。こうした状況では,逆に「分かりやすい文章を書ける」ことは,他のエンジニアと差を付けるための大きな武器になり得る。 文章を書く能力は特殊な才能でも,生まれ持ったセンスに大きく左右されるものでもない。実際,マニュアルや取扱説明書用の文章を書くプロである「テクニカル・ライター」は,分かりやすい文章を書くための訓練を受けることで,文章のスキルを身に付けている。ITエンジニアも,ポイントを掴み意識的に訓練すれば,必ず分かりやすい文章を書くことができるようになる。提案書やユーザー向けの説明