退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 非正規の地方公務員には退職金を払いたくない? 全国の自治体でそんな観測が浮上している。退職金の受給資格があるフルタイム非正規より1日約15分だけ勤務時間が短いため、受給できない「パート」が約5万8000人いることが国の調査で判明したからだ。専門家は「自治体が恣意的に勤務時間を短くしているのではないか」とみている。(渥美龍太、畑間香織)
なぜ女性は「昇進」できないのか。 川崎市職員の佐藤直子さん(50)は長年、自治体職員として働きながら感じてきたモヤモヤの正体を解明しようと、自治体の女性職員のキャリア形成などについて大学院で研究に取り組んでいます。女性は昇進したがらない? 女性管理職が就く部署は決まっている? 現状の背景には何があるのか、変えていくことはできるのか、話を聞きました。(小林由比、北條香子) 佐藤直子(さとう・なおこ) 川崎市こども未来局青少年支援室子どもの権利担当課長。1998年入庁後、児童館での青少年健全育成業務、公務災害・通勤災害事務、区役所での市民協働まちづくり業務、総合計画などの庁内調整事務、市長への手紙、コールセンターなどの公聴担当、幼児教育担当などを担当してきた。自身を含めた女性職員のキャリアパスに関心を持ち、2018年から研究を開始。22年4月から埼玉大経済経営系大学院博士後期課程。専攻は労働経
原発の60年超運転を可能にする束ね法「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が31日、参院本会議で与党と日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。老朽原発の長期運転や原発産業への支援強化などが盛り込まれ、東京電力福島第一原発事故後に抑制的だった原子力政策の大転換となる。 福島事故後に導入された「原則40年、最長60年」とする運転期間の規定は、原子力規制委員会が所管する原子炉等規制法から削除。経済産業省が所管する電気事業法に改めて規定された。最長60年の枠組みは維持しつつ、再稼働に向けた審査などによる停止期間を運転年数の算定から除外。その分だけ60年を超えた運転が可能になる。 これまでは規制委が運転延長の可否を審査し認可していたが、今後は経産省が電力の安定供給に貢献するかなどの観点から審査し、認可する。具体的な審査基準は今後策定する。規制委は延長の可否の判断には
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻んでいる実態が内閣府の調査で鮮明になり、専門家などから政府に対策を求める声が上がっている。交流サイト(SNS)上では、子が親を選べないことをもじった「親ガチャ」との表現が拡散しているが、専門家は責任は保護者でなく、貧困対策に力を入れてこなかった国にあるので、むしろ「国ガチャと言える」と指摘する。SNSでも「自己責任論で片付けたら、子どもの幸せは実現できない」などの意見が広がる。(市川千晴) 内閣府が全国の中学2年生とその保護者5000組に実施した調査では、貧困層で学校の授業が「ほとんどわからない」「わからないことが多い」と答えたのは計24%。暮らしが比較的安定している層の3.3倍に上った。進学希望では、貧困層の33.9%が「中学・高校まで」と回答し、安定層の4.3倍に達した。 「親ガチャ」はオンラインゲームの電子くじ「ガチャ」と保護者を掛け合わせた言葉
国会議員に月100万円支給される「文書通信交通滞在費」(文通費)を巡り、与野党は7日の協議会で、日割り支給への変更に合わせ、名称と目的を変更する法改正案をまとめた。4月中の法改正を目指す。文通費は議員の国会での活動を支えるための経費だが、今回の改正は議員の選挙活動などにも使われている実態を合法化する内容。識者からは、選挙などの政治活動に文通費を充てるのは目的外の支出で、横流しを正当化するものだとの批判が出ている。(井上峻輔) 文通費は現行の歳費法で「公の書類を発送し、公の性質を有する通信をなす等のため」と目的が定められている。しかし、多くの政党は使途を公表しておらず、各議員が仮に私的に使っていても分からないのが現状。関係者や一部政党の公開資料によると、議員が関連する政治団体への寄付や私設秘書の人件費に充てるなど、事実上、選挙活動に使っている例は多い。
地方公務員の非正規化が進んでいる。非正規公務員は15年で1.5倍に増加。4人に3人が女性という割合だ。当事者を中心に昨年設立した支援団体「公務非正規女性全国ネットワーク(通称・はむねっと)」は、自立できない賃金水準にあることなどの実態を明かし、このままでは「公共サービスが持続できなくなる」と警鐘を鳴らす。20日に都内で設立1周年の集会を開く。(畑間香織) 都内の放課後児童クラブで働く女性(48)は3月末で退職することを決めた。女性の給料は手取り月14万円、年収は200万円に満たない。単身のため、収入を増やせないかと、別の仕事を入れることも考えたが、児童の相手をしながら事務作業に追われる状況では体力的に難しく限界だった。女性は「現場を担うのは非正規やパート。行政がこの待遇で仕事をやれる人に甘えている」と憤る。
1872(明治5)年の鉄道開業時、線路を敷くため東京湾の浅瀬に築かれた「高輪築堤」(東京都港区)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部パリ)は、国際的にも非常に重要な遺産だとして、調査に伴う解体をやめるよう求める「ヘリテージアラート」を出し、JR東日本の深沢祐二社長らに宛てて文書を送付した。(梅野光春) イコモスは、世界文化遺産の登録審査を行う機関。高輪築堤を「日本の近代化の出発点であり、日本と(建設指導に当たった)英国の技術を合わせた構造物が、非常に良い状態で残っている」と評価。アラートでは、遺構の重要性を広く知らせないまま解体・再開発を進めることは、国や都の文化財保護行政上、深刻な懸念材料で、あしき前例を残すとしている。
新型コロナウイルスに感染した自宅療養者のうち、重症化リスクの低い六〜四十九歳への食料配達を一月下旬から中止したことを巡り、神奈川県は三日の県議会厚生常任委員会で、「物資の買い出しのための最小限の外出はやむを得ない」との見解を示した。県は自宅療養者らに外出自粛を求めているが、例外を容認した。 県は自宅療養者に八日分の食料と日用品を送るが、感染拡大に伴って配達できる数に限界があるとして、配達対象を絞り込んだ。異論が相次ぎ、生活困窮者らには対象外でも配達できるよう再検討している。それでも配達対象外の自宅療養者がいるため、対応の改善を求めた常任委の委員に対し、山田健司・健康医療局長は「食料備蓄がない人もいる。外出するのは致し方ない」と理解を求めた。 また、自主療養を巡り、申請に使う抗原検査キットが薬局で入手しづらい現況を踏まえ、篠原仙一(のりかず)・医療危機対策本部室長は「例外的な対応だが、(イン
神奈川県は26日、医師の診断と確定検査を経ず、抗原検査キットなどで新型コロナウイルスの感染を自分で判断して療養する「自主療養」を28日から始めることを決めた。自主療養者には無料通信アプリ「LINE」などで県から安否確認の連絡はあるが、健康管理や食事の調達は自己責任になる。県によると、全国で初めての取り組み。
厚生労働省が昨年、過労死などの労災認定をする際の労働時間の算定について、一定条件下の仮眠を除外したり、持ち帰り残業で極めて厳しい基準をとるよう全国の労働基準監督署に通達していたことが分かった。労働時間のとらえ方を労災被災者らの救済を目的とする労災保険法でなく、法令を守らせる労働基準法に基づいていることを問題視する声も強い。労働時間が実態より過小に算定され、労災の「不認定」の増加につながる恐れがある。(久原穏) 厚労省の意図について、過労死問題に取り組む弁護士でつくる「過労死弁護団」は「働き方改革と言いながら、労災認定が増えるのは不都合だからではないか。(労働者より)経営側に立つ政権の意向に沿うためもある」と推測する。 通達は厚労省労働基準局補償課が昨年3月30日付で送った「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集」。機密扱いだが、家族を過労死で亡くした遺族ら関係者の情報公開請求で明るみに出
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く