パストゥールが発見した乳酸菌 肉眼では見ることができない細菌(多くは長さが一〇〇〇分の一~三ミリメートル)は、十七世紀にオランダのレーウェンフック(A.v.Leeuwenhoek)が自ら作った顕微鏡によってはじめて人類の目に触れることになりました。しかし細菌類がどんな働きをしているのかは十九世紀になるまでわかっていませんでした。乳酸菌を発見したのはフランスのパストゥール(L. Pasteur)で、一八五七年、甜菜(砂糖大根)糖のアルコール発酵漕の中で、乳酸を作りながら増える細菌として報告しました。同じ頃、ドイツのコッホ(R. Koch)は結核やコレラの原因が細菌であることを突き止め、目に見えない微生物が人間の世界と切っても切れない関係にあることが明らかになったのです。 その後いろいろな乳製品から乳酸菌が見つけられ、一八九九年にはフランスのティシエ(H.Tissier)が乳児の便からビフィズ