乳酸菌の発酵でできる漬け物 野菜などを塩や酢に漬けると、腐敗菌の増殖が抑えられて保存がきくようになります。これが漬け物です。日本には、みそ漬け、かす漬け、からし漬けなど、とても多くの漬け物がありますが、一部の塩漬けでは漬かっている間に乳酸菌による発酵が進みます。特に、京都の伝統的な漬け物であるすぐきやしば漬け(生しばづけ)には乳酸菌が豊富です。またぬかみそ漬けでは、ぬか床に住んでいる乳酸菌と酵母が野菜を発酵します。ほかに、ピクルスやサワークラウトも乳酸菌が発酵した漬け物です。 野菜を漬けるには、まず塩漬けにして細胞液を浸出させます。糖分を含むこの細胞液が乳酸菌の栄養となるのです。漬け物類は、ぬかみそ漬け以外、ふつう種菌は使わず、野菜や漬け物樽に付着した乳酸菌で発酵が進みます。よく見つかる乳酸菌は、桿菌ではプランタルム菌、ブレビス菌など、球菌ではリューコノストック属やペディオコッカス属の菌で