【矢野吉彦=コラム「競馬最前線」】 ◆先週の答えを探しているうちにわかったこと 今回も先週に引き続き、競馬場に右回りと左回りがあるのはなぜ?について。確かな答えを探しているうちに、いろいろなことが明らかになってきました。 まず、かつては札幌競馬場が左回りだった、という話から。思ったとおり、それはアメリカ競馬の影響によるものでした。でも、そこにはけっこうな紆余曲折があったんです。 明治初期に札幌での競馬が始まった時、レースは公道に設けられた直線コースで行われました。それが、今の北海道庁近くにあったホップ園を周回する形になり(どっち回りだったかは不明)、さらに専用の常設馬場を作ろうということで、1878(明治11)年、開拓使(札幌)育種場に競馬場が造成されました。 この指導にあたったのがエドウィン・ダンという人物。北海道開拓使が招いたアメリカ生まれの“お雇い外国人”で、本国では競走馬や肉牛の育