2023年4月に三菱電機に入社したばかりの新入社員、小嶋美代香は今後の研修スケジュールを確認しようと、上司の教育主任に1本のメールを送った。送り先の氏名には「さん」が付いている。当たり前の光景だが、品質不正問題が発覚する前は違った。相手の役職を一人ひとり調べ、部署名のあとに「K(課長)」など役職を示すアルファベットと「殿」を続けていた。肩書に過度に配慮しなければならない独自ルールは、同社に根強
ナディア・ブーランジェ(Nadia Boulanger, 1887年9月16日 – 1979年10月22日)[1]は、フランスの作曲家・指揮者・ピアニスト・教育者(大学教授)。最高水準にある音楽教師の一人として知られ、20世紀の最も重要な作曲家や演奏家の数々を世に送り出した。生涯を通じてフランスおよび外国で数多くの演奏会、講演を行い、世界各国から集まった生徒たちに始終プライベートで教え続けた[1]。 生涯[編集] 家庭環境[編集] 実家は代々音楽家の家庭であり、父方の祖母マリー=ジュリー(英語版)(Marie-Julie Boulanger)は声楽家[2]、祖父フレデリック(Frédéric Boulanger)は、1797年にパリ音楽院在学中に15歳で首席として授賞したことのあるチェリストだった。父エルネスト・ブーランジェ(1815年 - 1900年)は、パリ音楽院でシャルル=ヴァランタ
クレール・ジボーは、男性優位のクラシック音楽界で、半生をかけて性差別と闘ってきた。彼女の次のターゲットは、男女間の賃金格差と年齢差別だ。 映画『TAR/ター』(日本公開は2023年5月12日〜)で注目が集まった「女性指揮者」。その先駆けとして活動してきたジボーが、インタビューで自らのキャリア、『TAR/ター』の感想、クラシック音楽界における性差別について語る。 ケイト・ブランシェットがタクトを振る強気な女性指揮者を演じ、アカデミー賞の複数部門にノミネートされ、世界的に大注目を集めている映画『TAR/ター』。この注目度の高さはおそらく、主人公の姿が斬新だからだろう──最近まで、指揮者という職業はほぼ男性が占めていたのだから。 一方、現実世界のフランス人指揮者クレール・ジボーは、業界にひそむジェンダーの壁と闘い続けてきた。2019年、ジボーはパリで女性指揮者の大会「ラ・マエストラ(La Mae
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