性別の変更を可能にした性同一性障害者特例法の施行から、今年7月で10年となる。当事者はどんな思いを抱えて生きるのか。同性愛者らを含むセクシュアルマイノリティー(性的少数者)の現状を見つめる。 × × × 「『自分』はやめろ。軍人じゃあるまいし」。福井県鯖江市に住む30代のヨシキ=仮名=は、高校時代に男性教諭から受けた言葉が胸に刺さっている。自分のことを「私」と呼べない理由があった。「僕」とも言えず、葛藤の末に「自分」を選んでいたのに―。「女なら『私』だろう」。教諭から簡単に一蹴された。 心と体の性が一致しない性同一性障害者のヨシキは、小学校高学年から女性としての体に「何か違う」と感じた。男の子にときめくこともなかった。「大きくなれば治る」と願ったが違和感は膨らむ一方。高校に入ってインターネットの情報に触れ、障害なのだと悟った。 当時、内緒でサラシを巻いていた。トイレは人けのない校舎
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