エジプトの首都カイロの国立歌劇場管弦楽団で昨年から首席トランペット奏者を務める堀江努さんが、古代エジプトを舞台にしたイタリア歌劇「アイーダ」で使われる珍しいトランペットを見せてくれた。 その名も「アイーダ・トランペット」。長さ1メートル以上もある長管のトランペットで、輝かしい音色が特徴だ。作曲者のヴェルディが当時、壮麗なエジプト軍凱旋(がいせん)の場面で、行進曲の旋律を舞台上で吹かせるために新たに設計させたとされる。 今も各地の舞台でみられるが、特注トランペットはなかなか高価でもあり、ピットのオーケストラが通常のトランペットで代奏することも多い。1871年にアイーダが初演されたゆかりの地、カイロの歌劇場も実はアイーダ・トランペットを持っていない。 堀江さんは、カイロの下町の古びた楽器店の店先でホコリをかぶっていたこの楽器を偶然見つけ、思わず購入したのだという。 これを聞いて「何かゆかりのあ