生の機密情報は厄介だ。「生半可な知識は危険だ」と、18世紀の英詩人アレキサンダー・ポープも戒めていた。話題の内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米軍の膨大な機密文書の垂れ流しも、実に危険極まりない。 このたびリークされたのは、命懸けでアフガニスタンやイラクの戦場にいる米兵たちが、状況もよく分からないまま書きつづったものだ。それが生のままで公開されれば、みんなが自分に都合の良い部分だけつまみ食いするようなことが起きる。戦争反対のリベラル派や穏健派はウィキリークスのやり方を原則として支持しているが、過激派の喜びそうな内容がたっぷり含まれることを忘れてはならない。 既にタリバンは、これらの文書から米軍への協力者を割り出そうとしている。もっと危険なのはイランに関する部分だ。そこにはイランとアメリカの戦争を望む勢力を利する情報が含まれている。 昔かたぎのジャーナリストなら、恐れずに事実を書け、