高い所にある障害物でも超音波センサーで認識できる視覚障害者向けの「電子白杖(はくじょう)」を、秋田県立大の岡安光博准教授(39)が開発した。これまで電子白杖は外国産ばかりで、国産は初めて。コストダウンにも成功し、半導体の製造装置などを手がける「秋田精工」(同県由利本荘市)が4月から外国産のほぼ半額以下で販売を予定している。歩行体験をした人は「こんなものができるとは夢にも思っていなかった」と話しており、関係者は大きな期待を寄せる。【坂本太郎】 通常の白杖を使う視覚障害者は地面の部分にある障害物しか把握できないことが多く、高い所にある障害物に体をぶつけることも多い。 岡安准教授が開発した電子白杖は、つえを持つグリップの下部に前方と上方の障害物を感知する二つの超音波センサーが取り付けられている。前方に障害物を感知した時はグリップ部分、上方に感知した時はリストバンドが振動し、視覚障害者に伝える仕組