竹内 聖悟(科学技術振興機構 ERATO湊離散構造処理系プロジェクト) はじめに コンピュータ将棋の棋力向上を背景として,プロ棋士との対局イベントが開催されるなど,コンピュータ将棋が世間の注目を集めています. ゲームやパズルはルール及びゴールが明確であるなど研究対象として扱いやすいこともあり,人工知能研究において初期から研究されてきました. ゲームプログラミングやゲーム情報学のゴールとしては,強いプログラムの作成や完全解析などが挙げられます. 人工知能学会「私のブックマーク」では1999年に「ゲームプログラミング(囲碁を中心に)」が取り上げられています. 本稿では,将棋を中心とした二人零和有限確定完全情報ゲームを対象として扱い,近年の主な研究動向と研究開発に有用なリソースを紹介していきます. ゲーム情報学全般はじめに,ゲーム情報学全般を概観する解説記事として,2012年の情報処理学会誌ゲー