朝井リョウ 1989年生まれ。岐阜県出身。2009年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年『チア男子!!』 で第3回高校生が選ぶ天竜文学賞を、13年『何者』で第148回直木賞を、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。その他の作品に『星やどりの声』『もういちど生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』、エッセイ集『時をかけるゆとり』。 有名になりたくて欲望を前面に出す姿に惹かれる ――最新作『武道館』(文藝春秋)はアイドルの女の子が主人公。以前インタビューで「いつかアイドルオーディションの話を書きたい」とおっしゃっていましたが、これはオーディションの話ではないんですね。すでにアイドルグループに所属し武道館でのライブを目指す高校生の愛子の芸能活動と私生活、心の変化を通して、アイドルとは何か、アイドルを取り巻くものとは何かが描かれてい