「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 村に取り残された少女への共感 サシャが自由人なようでいて、実は居心地悪さをこらえ、自分を押し殺しながら森の外の人間たちと接していたということは、すでに見ました。 時は移り、巨人が出現した村に取り残された少女(カヤ)を、サシャが助け出そうとする場面に戻ります(36話)。 奇妙にも、少女は窮地のなか、まるで焦りも恐怖も感じていません。 サシャが「もう大丈夫」と言えば「何が?」と聞き返し、馬が逃げたせいで慌てふためくサシャを見れば「何でそんなしゃべり方なの?」と尋ねるという、どうにも変な調子。 不意に少女は、事情を説明します。足の不自由な母親とともに、自分は隣人に置き去りにされたのだと。 だからもう何をしても無駄だと言わんばかりに。 どうやら、絶望と、差し迫る恐怖とに耐えきれずに、少女の心は、外界に対して