史上最高のレゲエ・コンピレーションの1枚にも数えられる映画『ハーダー・ゼイ・カム』のサウンドトラックは、“安価だけど退屈”というレゲエ・コンピのイメージを、“高品質で重要”というイメージに変貌させた作品のひとつだ。ダイナミックで明るく、躍動感のある楽曲を満載した同アルバムで興味深いのは、1972年7月7日のリリース当時ですら、過ぎ去った時代を追悼する作品だったという点である。 <関連記事> ・ルーツ・ミュージック:ボブ・マーリーの家系図 ・レゲエを作ったスタジオとプロデューサー達 映画『ハーダー・ゼイ・カム』は、全てジャマイカで制作された初の長編映画だ。主演はジミー・クリフで、70年代初頭の彼はまるでボブ・マーリーの原型のようだった。自ら曲を書くレゲエのスーパースターで、ジャマイカン・ミュージックが英国の批評家やDJの大半からティーンエイジャーのダンス・パーティを盛り上げる音楽としか考えら
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