<PR> 日本の高等教育の在り方が見直されている現在、様々な分野を学際的に学ぶリベラルアーツが注目を集めている。幅広い知を身につける教養教育は、果たして人や社会に何をもたらすのか。日本における教養教育のパイオニア、国際基督教大学でフランス文学を担当する、教養学部長・岩切正一郎教授にお話をうかがった。 なぜ日本において教養教育が必要とされたのか —日本の大学における、教養教育の歴史と成り立ちについて教えてください。 日本では東京大学とICUが近い時期に教養教育を始めていますが、これは第二次世界大戦での敗北が大きく影響しています。そもそも、日本はなぜこんなことになってしまったのか—そこにはいろんな要素がありましたが、教育のあり方というのも非常に大事だった、という反省があったのです。専門教育を受け、自分の知っている範囲だけの狭い視野で物事を見て判断する人が多かったのではないか。文系・理系、あるい