ブックマーク / ameyujutote.hatenadiary.com (7)

  • 魔女が来た! - あめゆきをとって

    今年の1月に倒れ、長い入院生活をした。 見舞いに来た姉が、マスクをしていた。 「風邪?」 「何言ってるの、コロナよコロナ!流行ってるの。あんたのも持って来たからね。病室を出る時には必ずマスクするんだよ」 コロナ… コロナって?と話を続けるには身体がしんどいし、声も出ない。私は黙って頷いた。 そのうち姉も弟も見舞いに来なくなった。コロナ感染予防のため、入院病棟の見舞いが禁止になったからだ。 私は、ひとり部屋の病室で必要か?と思いながらも姉の命令に従ってマスクをつけた。その頃はまだ、岩手での感染者はゼロだったが、テレビをつければコロナの事ばかり。 退院が近くなると、主治医が 「家に戻りたいでしょうが、東京はコロナで非常に危険です。少し収まるまで、岩手にいてはどうか」と言い出した。術後の私にコロナは致命的らしい。でも私は家が心配だったし、コロナなんてと高を括っていた。 退院して外に出ると、そこは

    魔女が来た! - あめゆきをとって
    ameyujutote
    ameyujutote 2022/06/21
    自分で読んでも泣ける。そして一年半経過しても世界中がまだマスクをしている。
  • コッペパン - あめゆきをとって

    I君のことは、いつかどこかで書いたはずだ。けれども見つからないのでまた書く。 I君は、小学一年の時同じクラスだった。 昔の写真や文集の類を全部捨ててしまったので確かめようが無いが、入学式の写真の記憶が残っている。 I君と私は前列で、二人とも不安そうな表情をして写真に収まっていた。後方には保護者も並び、I君のお母さんは着物姿だったと思う。 二年か三年か、はたまた四年生かもしれない。申し訳ないけれども覚えていない。 I君のお母さんが亡くなった。 I君は二週間くらい学校を休んだ。 私達は自分の母親が突然いなくなる事を想像し、心の底からI君を気の毒に思った。 元々大人しかったI君は、学校に戻ってからも元気がなかった。 聡明な、または気の利く一部の女子が、I君にそっと励ましの声をかけるのを見たが、私は何もしなかった。 全校生徒が千人を超える、マンモス小学校だった。土地柄なのか、時代のせいか、男子と女

    コッペパン - あめゆきをとって
    ameyujutote
    ameyujutote 2021/12/05
    私にしてはよく書けた(80点)
  • ともだちって何だろう - あめゆきをとって

    ハローハローエブリバディ! 大病して死にかけたけれど、見事に復活したタンポポだよ! ごっそり落ちてラッキー♪だった体重は、1年半前に戻りつつあるし(ノД`) 見た目だけは完全復活さ。ウェーイ! だけど声はまだ元に戻らず、以前よりかなり疲れやすく、何よりも記憶障害が酷いよ。 これは加齢のせいか、病気の後遺症なのか解らない。当に酷くて家族も震えるレベル。 主治医に尋ねても 「あれだけの大手術したからねーまあ、仕方ないよねー」 で、終了。何度も聞いたけど、終了。マジ終了。 死ななかっただけマシでしょ?という事らしいっす。 だから、自分でもそう思う事にした。そう思い込んだ。生きてるだけでまる儲けw。 退院してからここに昔話ばかりグダグダ書いているのは、ふと思い出した事を忘れないために書いているのさ。つまり、ボケ防止ね。辛気くさくてsorry! 私は記憶力にはわりと自信があって、学校のテストはほぼ

    ともだちって何だろう - あめゆきをとって
    ameyujutote
    ameyujutote 2021/10/07
    そう、ここは酷いインターネッツ‥
  • 肉屋の娘だった、母のこと - あめゆきをとって

    私の実家は、地元では名の知れたコロッケ屋だった。 過去形なのはとうの昔に店を畳んだからで、店主だった母も、父も昨年相次いで亡くなった。 そのコロッケ屋は、元々は精肉店であった。 八幡神社近くの小さな店で、母が朝から晩まで切り盛りした。 父は、テーラー職人だったらしい。 らしいというのは、父が服を縫っているところを、一度たりとも見た事がないからだ。 二階の物置部屋で、黒のジャノメミシンとトルソーと洋裁道具が埃をかぶっていた。ベルト式の足踏みミシンはとても大切なものらしく、触ると父に酷く叱られた。 しかし、仕立ての仕事は全く来ない。父は昼間から酒を呑み、ぶらぶらと遊び歩いた。 手に職も学もない母は親きょうだいに頼り、実家の家業である肉を商って三人の子を養うしかなかった。 父はますます不貞腐れ、肉屋の仕事を一切手伝わなかった。それだけでなく、何かと実家に頼る母が憎くて仕方ないのだった。 最初の頃

    肉屋の娘だった、母のこと - あめゆきをとって
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    ameyujutote 2021/09/20
    みやごべん難しい‥
  • 一度こわれた心は元には戻らないのだろうか - あめゆきをとって

    私は精神科の通院歴がある。でも現在は、通院も服薬もしていない。 難病と心臓の通院と服薬は生きていく限り続くので、メンタルどころではない。 精神科に通院していた頃は、辛かった。 カウンセリングも処方薬も効果を感じたのは最初だけで、どちらもすぐ効かなくなった。 救いを求めてドクターショッピングを繰り返しているうちに薬は大量になり、病院にかかる前よりもずっと具合が悪くなった。 そして私は、素人判断で通院も服薬もやめた。 私は、私を苦しめる全てから逃げる事で通院と服薬から離れられた。しかし簡単ではなかったし、決してそれを人に勧めたりはしない。繰り返すが、人に勧めたりはしない。 全てから逃げる事の出来る人は、そういない。 子供の頃から通知表に書かれていた「感受性が強い」特性は長い期間、私の欠陥であった。 とにかく私は泣いてばかりいた。泣き出せば何時間でも泣き続けた。 ひとたび何かのショックを受ければ

    一度こわれた心は元には戻らないのだろうか - あめゆきをとって
    ameyujutote
    ameyujutote 2021/09/10
    戻らないのですよ。だから逃げて。逃げてもいいのです。コップが溢れてしまう前に…
  • 北山あさひ歌集『崖にて』感想文(のようなもの) - あめゆきをとって

    はじめに。 私は短歌を詠みますが、詠む勉強のために歌集を読む事を殆どしません。 私がひとの歌を読むのは主に新聞歌壇欄ですが、決めていることがあります。 それは、深く読み過ぎないよう、さらりと流し読みすること。 誰がどの選者にどんな歌を採ってもらったのか、気にならないと言えば嘘になる。 けれども極力意識しないよう気を付けています。ひとはひと我は我。 そんなひとりよがりの決め事はさて置いて。 SNSを眺めていると、Twitterの短歌クラスタは勉強熱心です。皆さん歌集の蔵書がたくさんある模様… それに引き換え私は、家にある歌集ほんの数冊です。 折しもこの世はコロナ禍で、そうでなくても私は療養中で外出もままならず、一念発起して申し込んだ短歌イベントも中止や延期… この状況、一体いつまで続くやら。ずっとこのままではアウトプット(投稿)も出来なくなりそう… と、不安に思っていたところに、「歌集差し上

    北山あさひ歌集『崖にて』感想文(のようなもの) - あめゆきをとって
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    ameyujutote 2021/07/01
    わっとさんにも解らないことがあるとは‥(T_T)
  • 生きてゆく術は、あの場末のスナックで教わった - あめゆきをとって

    東北の高校を卒業してから現在に至るまで、思えば様々な仕事をしてきた。 とは言え学歴も資格も何もない私は、立派な仕事になど到底就けない。 最初の就職先は都内の、社員寮付き洋品店だった。 就活用パンフの白黒写真を見て、少し小さめなデパートと勘違いしてしまった。私の田舎には、3階建て以上の商業施設がない。 実際は地上5階地下1階の、ひょろり細長いおんぼろビルで、目蒲線のとある駅近くの線路脇に建っていた。 10分に一度、電車が通る度にビルは少し揺れた。 商品は激安のディスカウント品ばかり、客層はけち臭い貧乏人ばかりだった。 都会のデパートガールになったつもりで上京してきた私は、この職場にとても失望した。 嫌嫌働いたが、たった10か月で店を辞めた。仕事と住まいを同時に失った。 まだ19歳。私にはひとつの夢があった。当は、作家になりたかったのだ。 でも結局、私は夢よりも安定を選びプログラマーを目指す

    生きてゆく術は、あの場末のスナックで教わった - あめゆきをとって
    ameyujutote
    ameyujutote 2020/04/09
    お水はしごとにはいりますか? バナナはおやつにはいりますか?的な→当然はいります。
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