一流の国際政治学者であるハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授*1がこの感謝祭にひっかけて「2015年米国人が感謝すべきトップテン」*2を発表していて、非常に面白い。 トップテンの1番目は「米国で生活していること」であり、2番目はなんと「バラク・オバマ」である。「米国人はオバマ大統領に感謝しなければいけない」と超一流の政治学者が主張しているのである。 本稿の読者の多くはこの主張に違和感を持つかもしれないが、米国で生活し安全保障を研究している私には全く違和感がない。 世界秩序の破壊者から脱却 1番と2番は相互に深い関係があり、米国が他の諸国に比較し安全で魅力的な環境下にある国家であり、そこで生活することに感謝しなければいけないというのが1番で、米国を安全で魅力的な状態に導いたのが海外での無理な軍事力の使用を抑制しているオバマであり、そのオバマに感謝しなければいけないというのが2番である。