複数の報道によると、東京電力の損害賠償を国が支援する「政府案」が検討されているようだ。それによれば政府が「原発賠償機構」(仮称)を新設し、その資金は交付国債や金融機関からの融資でまかなう。賠償は原則として東電が行なうが、一度に巨額の賠償が発生して資金繰りが困難になった場合は、賠償機構を通じて国の支援を受ける。 この案のポイントは、東電の国有化を避け、企業として存続させたまま国が支援することだ。賠償額は数兆円にのぼると予想されるため、東電は必要な場合は政府に「特別援助」を求め、賠償機構から借り入れや優先株発行で賠償資金を調達する。この資金は東電の利益から長期間かけて返済され、最終的には財政負担は発生しない建前だ。 もう一つ注目されるのは、賠償機構に「将来、原発事故が起きた際の賠償に備える保険機能の役割も果たす」という理由で電力各社が「負担金」を出資することだ。これは実質的に東電の賠償を他の電