江戸へようこそ 晴れ晴れとした絶望感。江戸を端的に表現したこの言葉以上に的確な表し方があるでしょうか?こういうところに杉浦日向子さんの才能を改めて感じます。 難しいことや自分の知っている事柄を難しいまま説明する人は多くいますが、いったん自分の中で咀嚼して消化したものをわかりやすく伝えるという人は意外と少ないもの。そしてわかりやすく平易な言葉で説明してくれる人が本当に才能とセンスがある人だと思います。日向子さんのマンガやイラストの、力の抜き加減は絶妙で、そのバランスのとり方が本当に天才的だと感じているのですが、その裏にある知識の豊富さにも圧倒されます。しかもそれを学者然として語らないところがいいんですよね~。 この本の中に‘江戸の人生観’を説明している箇所があって、すごく印象に残りました。思うままにならないからこそ人生なんだという肯定的なとらえ方をしています。その辺に、単純でおおらか