上武大学大学院経営管理研究科教授 池田 信夫 インターネットによって世の中が変化しようとも、ものづくりに強い日本企業は“デジタル家電”の領域で主導権をとれる、という見方が数年前にあった。しかし2008年末の世界の状況を見る限り、日本がインターネット関連機器やサービスのリーダーとは言い難い。改めて戦略を考え直すにあたり、製品アーキテクチャー(設計思想)の選択に視点をあてた池田信夫氏の論考を紹介する。本稿は『アーキテクチャーは戦略に従う~DRAMに学ぶデジタル家電への教訓』と題して、日経ビズテック誌2004年12月20日号に掲載された。 池田氏は「一つの技術を育てていく段階では技術を微調整できる『擦り合わせ型』アーキテクチャーが意味を持つが、技術が成熟すると低コストな『モジュラー(組み合わせ)型』の代替技術が必ず登場する。従って、両方を戦略オプションとして持つ必要がある」と指摘していた。この指