2007年06月01日14:30 カテゴリ書評/画評/品評 書評 - 太陽の簒奪者 & 沈黙のフライバイ ハードSF2.0。 沈黙のフライバイ 野尻抱介 太陽の簒奪者 野尻抱介 野尻抱介を一言で表すと、そうなるのではないか。 ただし、私はまだ本書「太陽の簒奪者」と、「沈黙のフライバイ」しか読んでいないので、野尻抱介のもう半分でもあるライトノヴェル作家としての側面をまるで知らないのだけど。 長編「太陽の簒奪者」も、短編「沈黙のフライバイ」も、どちらもSFの基本テーマ、異星人との邂逅を描いている。面白いことに、ハードでもソフトでも大人気のこのテーマ、ソフトの方だと「エイリアン」にしろ「インディペンデンス・デイ」にしろ、異星人は敵対的なものが多いのに、ハードの方だと「竜の卵」にしろ「ディアスポラ」にしろ、友好的なものが多い。 それがなぜかと考えると、「誰が主人公か」という点につきると思う。ソフト