現地で実施されている凍土遮水壁の実証実験を視察する福島県廃炉安全監視協議会のメンバー=6月2日、福島第1原発(代表撮影) 福島第1原発事故の汚染水対策で、地中を凍らせて地下水が原子炉建屋に流入するのを防ぐ凍土遮水壁の工事が6月2日に始まり、1カ月が経過した。凍結管を埋めるための掘削作業を進めており、6月末までに55本分の掘削が終了。東京電力は来年3月までに関連設備の工事を終えて凍土を開始したい意向だが、原子力規制委員会は埋設物のある場所の工事を認可しておらず、先行きは不透明だ。(福島総局・桐生薫子) 凍土壁は1~4号機の周囲1.5キロに1550本の凍結管を地下30メートルまで打ち込み、冷却材を循環させて約7万立方メートルの土を凍らせる。来年3月以降に凍土を造成後、2020年ごろまで冷却する。 過去に例のない大規模工事に、規制委員会は地盤沈下の危険性を指摘してきた。地下に埋設物がある場所