大西洋クロマグロの取引規制を話し合うワシントン条約締約国会議が始まったが、国際的なレストラン・ホテルの団体が「大西洋クロマグロを使わない」宣言を出すなど、敏感に反応している。同意を迫られる日本の著名シェフや老舗(しにせ)旅館は、困惑気味だ。 人類の偉大な食糧庫、海を守ろう――。パリに本部があり、58カ国・地域計約500の高級レストランとホテルが加盟する協会「ルレ・エ・シャトー」は昨年11月、「メンバーは2010年1月から、地中海を含む大西洋のクロマグロを使わない」「持続可能な水産物を調達する」など魚料理の提供について六つの宣言を出した。個人オーナー店が中心の組織で、互いの質の向上を目指し、加盟店ガイドを作る活動などをしているが、近年力をいれるのは環境対策だ。宣言にサインしたシェフは現在約6割。ホームページ上で公開し、「トロワグロ」「エノテカ・ピンキオーリ」など、日本でも知られたミシュラン