産業技術総合研究所(産総研)は、異なる有機分子間の電荷移動に伴う光吸収を利用した、新しいタイプの有機光起電力素子(有機太陽電池)の動作実証に成功したことを明らかにした。 米国物理学会誌「Physical Review Letters 2010年11月26日号」に掲載されるほか、オンライン版として11月24日(米国東部時間)に公開された。 有機太陽電池は、軽量で折り曲げが可能な太陽電池シートを非高温、非真空下で製造できるため、大面積化や低コスト化に有利とされており、世界中で研究開発が行われている。しかし、その変換効率は、この数年で7〜8%程度まで向上してきているものの、結晶Si系などで20%を超した製品が、また薄膜a-Si系でも15%程度を研究段階で実現していることを考えると、有機太陽電池の実用化にはさらなる高効率化が必用とされている。 有機太陽電池の高効率化を阻害する要因としては、利用でき