著名作家・漫画家連名による自炊代行業者への訴訟問題ですが、自分もクリエイティブの仕事で食べている端くれとして提訴側の気持ちはよく理解できます。 しかし残念なことに、その提訴は何ら本質的な解決へ向かっていません。 それどころか、むしろ海賊版の跋扈を助長しかねない危うさを孕んでいます。 ここが真の問題ではないかと感じています。 僕は2年ほど前に初めて自分の本を上梓しました。 その執筆中にある英文の経済学書を資料として調べる必要が出てきたのですが、ぶ厚い英書を最初から拾い読みしていたのでは見つけたい箇所にたどり着くまで膨大な時間がかかりそうだったので、それをテキストデータ化して翻訳ソフトにかけようと思い立ちました。ざっくりと日本語化して流し読みするのが早いと考えたわけです。 当時はまだ自炊が一般的ではなく代行業者の存在も知らなかったので、海外のネットで電子版を購入しました。ところがDRMがかかっ
![自炊代行の真の問題点とは --- 小霜和也](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5ca3e12d98a36e5b182766185b63cd33c26a509a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fagora-web.jp%2Fcms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F07%2Fagora-twitter.jpg)