猛毒なホスゲンの代わりに無毒で安価な二酸化炭素(CO2)を原料として炭酸エステルを合成するプロセスを開発。 高性能触媒と効率的脱水プロセスによる高生産性から、工業プロセスへの発展が期待される。 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)環境化学技術研究部門【研究部門長 島田 広道】分子触媒グループ 坂倉 俊康 主任研究員は、猛毒のホスゲンの代わりに二酸化炭素を用いて、エンジニアリングプラスチックの原料である炭酸エステルを製造する反応プロセス法を開発した。 この方法は、第1にスズやチタンを主成分とし、酸性付与物質を副成分とした高性能触媒を新たに開発したこと、第2にリサイクル可能な有機脱水剤を用いた効率的な脱水方法を開発したこと、によって実現されたものである。これら2つの新技術を反応プロセスに最適化することで、高転化率、反応時間の短縮、反応圧力の低減、