罵りや貶しは、相手ばかりでなく周囲の人間の思考力と創造力を奪ってしまうという研究を紹介します。続いて、私たちはどのように振る舞うべきかを考えます。最後に、心理的安全性の重要性などを述べつつ、「有能であるよりも礼儀正しくあるべし」という結論を述べます。 なお、紹介する研究の多くは、海外においてなされたものです。私としては、国内でも同種の調査も行われて欲しいと願っています。一般に西洋人よりも東洋人の方が協調的である(他者の目を気にする)と言われていますから、罵りや貶しが及ぼす悪影響については、東洋人に対していっそう強くあらわれるのではないかと推測しています。 以下本編です。 ◆ 罵りや貶しなどの無礼な行為は、された人や目撃者の思考力や創造力を低下させる。このこと自体は想像がつくことである。だが、研究によれば、事態は思ったより深刻そうだ。 思考力・創造力は容易く低下してしまうし、しかも随分と大き