(米国労働省「消費者物価指数」ほか) 世界経済が高インフレに見舞われている。国際通貨基金(IMF)の予測によれば、世界全体の消費者物価は2022年末に9%に達する見込みであり、コロナ前の3%台から大きく上昇している。 先進国でもインフレが高進しており、各国・地域の物価統計を見ると、消費者物価の前年比は米国や欧州で7~10%に達しているほか、低インフレが続いた日本ですら4%近くとなっている(図表1)。先進国でこれほど激しいインフレが生じたのは、第2次オイルショック期以来、約40年ぶりである。 今回の世界的な高インフレは地域によって主因も異なる。欧州では、エネルギー価格の上昇がインフレを主導している(図表2)。脱炭素への取り組みが進む欧州諸国では、天候不順で再生可能エネルギーが供給不足に陥ると、エネルギー価格が上昇しやすい傾向にある。 最近では、ウクライナ問題を巡ってロシアとの関係が悪化してお