ブックマーク / blog.tatsuru.com (10)

  • セックスワークについて - 内田樹の研究室

    寺子屋ゼミで「セックスワーク」についてゼミ生から質問を受けた。 「話すと長い話になるから」ということでその場はご容赦願ったのであるが、橋下発言をめぐって「セックスワーク」についての原理的な確認をしておきたいと思って、筐底から旧稿を引き出してきた。 2003年に『岩波応用倫理学講義』(金井淑子編、岩波書店)に書いたものである。 そこでは社会学者たちの「売春擁護論」に疑問を呈した。 同じ疑問を私は今回の橋下発言をめぐる賛否のコメントについても感じている。 セックスワーク-「セックスというお仕事」と自己決定権 はじめに 最初に正直に申し上げるが、私自身は、セックスワークについて専門的に考究したこともないし、ぜひとも具申したいような個人的意見があるわけでもない。ときどき、それに関する文章を読むが、数頁(場合によっては数行)読んだだけで気持ちが沈んできて、を閉じてしまう。 困ったものではあるが、私

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    angmar 2013/05/29
    内田君はこういう言辞を弄せる頭があっていいよね、でも本問題に関係する人の大部分はそもそもこうした言葉を紡ぐ力がないよね、って考えると、文化人がこうした問題にコミットすることの意味を考えざるを得ない。
  • 幼児化する政治とフェアプレイ精神 - 内田樹の研究室

    できたばかりの石原慎太郎の太陽の党が解党して、橋下徹の日維新の会と合流。太陽の党との合流話を一夜で反古にされた河村たかしの減税日は「減税の看板をはずしたら仲間にいれてやる」と恫喝されて落ち込んでいる。渡辺喜美のみんなの党は維新への離党者が続出しているが生き延びるために維新との選挙協力の方向を探っている。 いわゆる第三極政局は「あの業界」の離合集散劇とよく似ている。 党名を「なんとか組」に替えて、笠原和夫にシナリオを書いてもらったらずいぶん面白い映画ができそうである。 残念なのは、登場人物の中に感情移入できる人物がひとりもいないことである。 状況的には河村たかしと渡辺喜美が『総長賭博』の中井信次(鶴田浩二)や『昭和残侠伝・人斬り唐獅子』における風間重吉(池部良)の役柄に近い「引き裂かれ」状態にある。甘言を弄しあるいは恫喝を加えて縄張りを奪おうとする新興勢力に抗して、なんとか平和裏に組を守

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    angmar 2012/11/20
    民草も、敗者に対する配慮を忘れない勝ち方を心がけるようになれると、良い国になるかも知れませんね。
  • 田中大臣の不認可問題の影にあるもの - 内田樹の研究室

    田中真紀子文科相は秋田公立美術大など3大学の2013年度開校を不認可とした問題について6日に大学設置認可に関するあらたな検討委員会を発足させる意向を表明した。 文科相の諮問機関である大学設置・学校法人審議会の見直しをこの委員会で行い、改めて3大学の設置認可を判断することとして、来春の開学への可能性を残す考えである。 大臣は設置審議が「許可されてから工事をするならわかるが、ビルが建って、教員も確保してから、認可申請をするというのは筋違いだ」と批判した他、設置審議会の構成が委員29名中22名が大学関係者であることを咎めて、「多くのジャンルの方の意見を聞きたい」とした。 不認可という爆弾を放り投げてみたものの、世論の袋叩きに遭って、あわてて引っ込めたということである。 政治的にはそれだけの単なる失策に過ぎないが、この失策の背後には大学教育をめぐる質的な問題点がいくつも透けて見える。 ひとつは文

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    angmar 2012/11/07
    こないだの「どうせ小説同人なんて生ゴミなんでしょ」を教育論に当てはめてソフィスティケイトした書き味にするとこうなる。
  • 中国離れについて - 内田樹の研究室

    尖閣国有化をめぐる日中の対立が経済に大きな影響をもたらし始めた。 日側ではトヨタ自動車が中国市場からの限定的な「撤退」を決めた。 工場の管理のむずかしさ、販売に対する国民感情の抵抗に加えて通関検査の強化で日からの部品供給が停滞するリスクを抱え込んだからだ。 現地生産台数を10月は白紙に(昨年は7万8千台)、高級車レクサスなどの輸出は停止する。 他にも中国に生産拠点を置いている企業、中国市場をメインターゲットにしている企業は軒並み株価を下げている。 コマツの株価は5月から33%減。日産自動車が18%減、ホンダが11%減。新日鉄、住友化学なども20~40%株価を下げた。 住友化学と言えば、経団連の米倉弘昌会長が会長をつとめる会社である。 その米倉会長は事態を重視して、トヨタの張富士夫会長らと昨日北京に飛んで事態鎮静のための交渉に当たっている。 経済界は日中での政治的対立の深まりをつねに懸念

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    angmar 2012/09/27
    別に普通に「岩礁の取り合いより経済の方が重要だろ」って言えばいいじゃないみんな。資本礼賛主義者的に考えて。サヨクの代表者様もこの通り「ぜに払わな換えられない」と仰ってることですし。
  • いじめについて - 内田樹の研究室

    ある媒体から、大津市のいじめについてコメントを求められた。 書いたけれど長くなったので、たぶん半分くらいに切られてしまうだろう。 以下にオリジナルヴァージョンを録しておく。 今回の事件はさまざまな意味で学校教育の解体的危機の徴候だと思います。 それは学校と教育委員会が学校教育をコントロールできていないということではなく、「コントロールする」ということが自己目的化して、学校が「子供の市民的成熟を支援する」ための次世代育成のためのものだということをみんなが忘れているということです。 私の見るところ、「いじめ」というのは教育の失敗ではなく、むしろ教育の成果です。 子供たちがお互いの成長を相互に支援しあうというマインドをもつことを、学校教育はもう求めていません。むしろ、子供たちを競争させ、能力に応じて、格付けを行い、高い評点を得た子供には報償を与え、低い評点をつけられた子供には罰を与えるという「人

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    angmar 2012/07/12
    よく知らないんだけど世界には"生産性の低い個人に「無能」の烙印を押"さない企業とかがあるの?マイナス評価かプラス評価かって話?
  • 幼児化する男たち - 内田樹の研究室

    『Ane Can』という雑誌の取材を受ける。 『Camcan』のお姉さんヴァージョンである。 このところ女性誌からの取材が多い。 どうしてだろう。 わからない。 インタビュイーの選考は先方のご事情なので、私の与り知らぬことである。 お題は「愛と自立」 う〜む。 「愛をとるか、自立をとるか」でお悩みの20代後半女性にアドバイスを、というご依頼である。 端的には「仕事をとるか、結婚をとるか」ということのようである。 つねづね申し上げているように、これは問題の立て方が間違っている。 仕事結婚も、どちらも人間が他者と取り結ぶさまざまな interdependent なかかわりの一つであり、どちらも人間が生き延びるためには「あったほうがよい」ものである。 「仕事もない、配偶者もいない」というのがワーストで、「おもしろい仕事もあるし、すてきな配偶者もいる」というのがベストであり、その間に無数のグラデ

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    angmar 2010/06/24
    「成熟」「通過儀礼」プププ/女性の「仕事と私どちら」は遊戯の次元としている時点でひどい「見くびり」ではあるが。
  • さよならアメリカ、さよなら日本 - 内田樹の研究室

    新聞の電話取材で、またまた米軍基地のことを訊かれる。 グアムへの米軍基地の移転コストを日政府が肩代わりしたり、「共同開発」名目で米軍の支出を予算的に「思いやったり」することについてどう思うかというお訊ねである。 しかたないんじゃないの、とお答えする。 「厭です」といって払わずに済むものなら、とっくにそうしているはずである。 「厭です」と言えない事情があるから、泣く泣く「みかじめ料」を出しているのである。 もちろん近代国家同士のあいだの話であるから、別に米軍が日にドスをつきつけて「払わんと痛い目にあわせるど、こら」と凄んでいるわけではない。 「払わないと、そちらさまがとっても『たいへんな目』に遭われるのではないでしょうか。いや、われわれはまあよそさまのことですから、どうだっていいと言えばどうだっていいんですけど、まあそちらさまとも先代からの長いお付き合いですから、老婆心ながら・・・」と言

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    angmar 2010/06/01
    この蓋然性の上に蓋然性を積み上げた文章こそ幻想に支えられた安全保障の姿そのものなのだ!ってのはどうでも良く、世界中の核兵器が実は全て大泥棒に盗まれてチョコレートと摩り替わってると面白いなあと思いました
  • 非実在有害図書 - 内田樹の研究室

    東京都青少年健全育成条例について基礎ゼミの発表がある。 「表現に対する法的規制」というものについて私は原理的に反対である。 ふつうは「表現の自由」という大義名分が立てられるけれど、それ以前に、私はここで言われる「有害な表現」という概念そのものがうまく理解できないからである。 まず原理的なことを確認しておきたい。 それは表現そのものに「有害性」というものはないということである。 それ自体有害であるような表現というものはこの世に存在しない。 マリアナ海溝の奥底の岩や、ゴビ砂漠の砂丘に、あるいは何光年か地球から隔たった星の洞窟の壁にどのようなエロティックな図画が描かれていようと、どれほど残酷な描写が刻まれていようと、それはいかなる有害性も発揮することができない。 「有害」なのはモノではなく、「有害な行為」をなす人間だからである。 全米ライフル協会は「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」と主

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    angmar 2010/04/26
    世間的には知らんがはてな的には超周回遅れとか罵倒される類の文だと思う/これは内田センセだから受け入れるが山本弘のは誰かさんの尻馬に乗って罵倒してる人がいるとしたら笑える。
  • 大統領就任演説を読んで - 内田樹の研究室

    20日、バラク・オバマが第44代アメリカ大統領に就任した。 その就任演説を読む。 そのまま英語の教科書に使えそうな立派な演説である。 アメリカという国が「もともとある」共同体ではなく、国民ひとりひとりが自分の持ち分の汗と血を流して創り上げたものだという考えが全体に伏流している。 その建国にかかわった人々への言葉が印象的である。 For us, they packed up their few worldly possessions and traveled across oceans in search of a new life. 私たちのために、彼らはわずかばかりの身の回りのものを鞄につめて大洋を渡り、新しい生活を求めてきました。 For us, they toiled in sweatshops and settled the West; endured the lash of th

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    angmar 2009/01/23
    ポンペイの遺跡のとある民家の壁に書き付けられた落書きには「先日ローマの新皇帝就任演説を聞いた。建国から未来への物語を紡ぐ良いスピーチ。それに引き換え我が国は…」との言葉があったとかなかったとか(ない)
  • 株価って何 - 内田樹の研究室

    東京株式市場の日経平均株価が昨日一時的に7000円を切った。1982年以来の水準だそうである。 1982年といえば、うちの娘が生まれた年である。 育児に忙しくて、その頃の日の経済状態がどうだったのか、あまりよく覚えていない。 でも、人々が困窮し、ばたばた倒産が続いていたというような記憶はない。 それなりに平和で豊かな時代だったような気がする。 あの時代にまた戻ったとしても、私は別に構わない。 「なんと愚かな、26年前と比較しても何の意味もないではないか」と経済通は言うだろう。 その時代とは物価も国際環境も為替レートも違うんだから、比較するのはナンセンスだ、と。 いや、おっしゃるとおりだと思う。 だから、「26年前の水準まで下がった」という新聞一面の活字にも何の意味もないと私は思うのである。 株価以外の条件が違うのだから、「株価が同じであった時代」を持ち出して比較することには何の意味もない

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    angmar 2008/10/31
    キーボード配列の話、面白かった。
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