大震災に伴う大津波、そして原発事故。「どうしてSFと同じことが現実に起こってしまったのだろう」--漫画家・萩尾望都さんはその疑問を、漫画に描かずにはいられなかった。 この3月に、福島第一原発の事故に想を得た短編『なのはな』、そして放射性物質を擬人化した3部作『プルート夫人』『雨の夜-ウラノス伯爵-』『サロメ20XX』、そして新たに描き下ろした『なのはな-幻想「銀河鉄道の夜」』を収録した、『萩尾望都作品集「なのはな」』が発売となった。 同書は、フランス・パリで開催される「ブックフェア」にも正式に招待され、『なのはな』にフランス語訳をつけて持っていくという。フランスはいわずと知れた原発大国。その反応が気になるところだ。 「この作品が海外でも出版され、世界中で原発について考えるきっかけができるといいですね。漫画家という立場を使って、私は自分の意見をいいました。しかし、まだ宙ぶらりんの感じがしてい