今回はデイヴィッド・ベネターの主著『生まれてこない方が良かった —— 存在してしまうことの害悪』で展開されている「反出生主義」について考えてみたい。 反出生主義 「子どもを生むべきではない」 反出生主義と出生主義 ベネターの立場 「客観主義・功利主義・悲観主義」 誕生否定と反出生主義 「誕生害悪」論 誕生の絶対的害悪 「存在してしまうことは常に害悪である」 誕生の相対的害悪 「存在してしまうことは深刻な害悪である」 【結論】なぜ「すべての人間は子どもを生むべきでない」のか なぜ自殺は肯定されないのか 【異論1】「人称視点」問題 —— 生む側と生まれる側の非対称性 【異論2】「誕生」の謎 —— 「心身二元論」の導入 【異論3】「生まれてきてよかった」の可能性 【異論4】「人間存在は不合理である」 【参考文献】 反出生主義 「子どもを生むべきではない」 ベネターの結論は次のようなものである。