最新の統計で小売売上高が前年比17%も減少したラトビア。壊滅的な小売業にあって、1つ、飛ぶように売れている商品がある。「Nasing spesal」という一見不可解なスローガンが書かれたTシャツだ。 ラトビア人は、たとえ笑い者になっているのが自国の財務相であっても、笑えるネタがあるだけで喜んでいる。 アティス・スラクテリス財務相はいささか思慮を欠いた外国テレビ局とのインタビューで、映画の主人公ボラット*1に匹敵するひどく訛った独特な英語を使い、ラトビアの経済問題を「大したことではない(nothing special)」と表現したのだ。 控えめに言っても、それは独創的な解釈だろう。ラトビアは、特に建設業と消費者向け融資における無分別な銀行融資をテコに爆発的な好況を謳歌し、2ケタの経済成長を続け、ピーク時には経常赤字がGDP(国内総生産)比20%超に達した。 一般的な社会通念に従えば、