隆慶一郎先生の「柳枝の剣」を原作として、「コミックバンチ」誌に不定期掲載された「柳生非情剣 SAMON」が単行本化されました。 原作ファン、柳生ファンから高い評価を得ていた作品であり、単行本化が待ち望まれていただけに、まことに喜ばしいことです。 全五話中、第四話までは雑誌掲載時に紹介してきたのでここで詳細には述べませんが、本作の原作は、柳生左門友矩と徳川三代将軍・家光の愛とその終焉を、友矩の剣を通して描いた作品。 本作は、その基本ラインは抑えつつも、一人友矩のみならず、家光の、そして宗矩、十兵衛らの柳生家の人々の視点からも描くことにより、単に「柳枝の剣」のみならず、隆慶柳生もの全体の空気をも漫画化してみせた、希有な作品と言えます。 もちろんそれは、脚本の田畑由秋によるところも大きいのですが、しかしそれを受け止めて、我々が隆慶作品から受けるイメージそのままのビジュアライズを成し遂げてみせた余