この記事は、#読み終わった本リスト Advent Calendar 2015 - Adventar の17日目です。 ○ 今年2015年は谷崎潤一郎の没後50年であり来年2016年は谷崎潤一郎の生誕130年です今年から来年にかけては谷崎イヤーということでいろいろと企画や特集などされています。先日のこと千葉・南房総を旅行した際に谷崎潤一郎の『春琴抄』を持参しました。 [asin:B00DOT564O:detail] 波の音を聴きながら温泉につかり改行と句読点の無い美しい日本語の連鎖に身を委ねるのはなんとも言えない至福でした本作において盲目の春琴が傷を負った際それを見まいとした佐助は自身の瞳を潰すわけですが春琴を記憶の中の観念的な存在として昇華した彼は春琴の死を悲しみつつしかし誰よりも春琴を身近に感じ続けることに成功したのではないかと感じずにはいられません。人は死者を記憶の中で生きながらせるこ
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